棚卸が年2回の店で「内引きや空打ちを後から追えるか」を調べている方へ
先に結論
棚卸が半年に1回の店で、月額0円のスタンダードプランを使っても、在庫差異は検出できません。
差異を検出するには理論在庫が必要ですが、在庫管理はスタンダードプランの除外機能です。差異そのものを算出する土台がありません。
三段論法
| 内容 | |
|---|---|
| 前提1 | 棚卸は年2回(半年に1回)。理論在庫と実在庫の差異が、最大6ヶ月分たまってから表に出る |
| 前提2 | スタンダードプランの除外機能は「在庫管理」「売上分析(拡張)」「顧客管理」。利用可能なのは「基本レジ機能/セール販売/バンドル販売/軽減税率/日別売上閲覧/CSVダウンロード」の6項目 |
| 結論 | 不適合。 在庫管理が除外機能である以上、理論在庫を持てず、差異を算出できない |
棚卸の頻度が、検出できる粒度の上限を決める
POSを入れれば内引きが分かる、という理解は正確ではありません。分かるのは棚卸と棚卸の間に差異が出たかどうかであって、いつ出たかではありません。
| 棚卸の頻度 | 差異の発生時点を絞れる幅 |
|---|---|
| 年2回(半年に1回) | 最大6ヶ月 |
| 毎月 | 最大1ヶ月 |
| 毎週 | 最大7日 |
年2回の店では、6ヶ月のどこかで差異が出たということしか分かりません。6ヶ月分の防犯カメラ映像を見返す運用は現実的ではないため、原因の特定に進めません。
これは製品の問題ではなく、棚卸の頻度が決めている制約です。製品を変えても、棚卸が年2回のままなら粒度は変わりません。
さらに、手打ち運用が単品管理を無効化します
一次情報として、実際にスマレジを使っている小売店がこう書いています。
POSレジ(スマレジ)を使っていても過去半年間にあった内引きやレジの空打ちは分からないものなのですか?棚卸しが半年に1回しかありません
(バーコードが読み取れない時は)違う商品を打ち値段を手打ちすることもあります
— Yahoo!知恵袋
後半が効いています。バーコードが読めないときに「違う商品を打って値段を手打ちする」運用を続けている場合、POSに記録される商品と実際に売れた商品が食い違います。この状態では、仮に在庫管理を有料で入れても、理論在庫のほうが最初から正しくありません。
差異の原因が内引きなのか、空打ちなのか、手打ちによる記録ずれなのかを、データからは切り分けられなくなります。
向かない条件
月額0円のまま在庫差異を追跡したい事業者に、この製品は向きません。在庫管理が除外機能である以上、理論在庫を持てず、差異そのものを算出できないためです。
加えて、次の状態にある店は、有料プランに移行しても目的を達成できません。
- バーコードが読めないときに手打ちで代用している → 理論在庫が最初から不正確になります。先に読み取り運用を直す必要があります
- 棚卸の頻度を上げる予定がない → 在庫管理を有料で入れても、差異の発生時点は6ヶ月幅のままです
- 目的が「犯人の特定」である → POSで分かるのは差異の有無までです。時刻を絞るには棚卸頻度と読み取り運用の両方を変える必要があります
費用の目安
在庫管理を使う場合、月額0円から有料プラン下限の5,500円(税込・1店舗あたり月額)=年66,000円に移行します。ただし上記のとおり、棚卸頻度と手打ち運用を変えないままこの66,000円を払っても、差異の発生時点は絞れません。
確認事項
- 在庫管理=スタンダードプランの除外機能(公式明記)
- スタンダードプランで閲覧できるのは日別売上とCSVダウンロードまでの6項目
- 棚卸が年2回なら、差異の発生時点は最大6ヶ月幅までしか絞れない
- 有料プラン下限=5,500円/月(税込)=年66,000円